[[index.html|一言芳談抄]] 巻之上 ====== 35 浄土谷の法蓮上人は資縁省略の上・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[ndl_ichigon034|<>]] 浄土谷(じやうどたに)の法蓮上人((信空))は、資縁省略(しえんせいりやく)の上、形(かた)のごとくの朝喰(あさげ)し、往生極楽の勤めに忘られて、世の常ならず。これがために、これをいとなむ。念仏心に入るときは、飯(いひ)にもあらず、粥(かゆ)にもあらぬ体なり。年に従ひ、日をおひて容顔(ようがん)衰へ、身力(しんりき)尽きぬ。 良友、尋ね来たりて、訪(とぶら)ひて、返事に云はく、   西へ行く筋一つだにたがはずは骨と皮とに身はならばなれ [[ndl_ichigon034|<>]] ===== 翻刻 ===== 浄土谷(じやうどたに)の法蓮上人(ほうれんしやうにん)は。資縁省略(しゑんせいりやく)のうへ。形(かた)のごとくの 朝喰し。往生極楽(わうじやうごくらく)のつとめに。わすられて。世のつねなら ず。これがために。これをいとなむ。念仏心に入ときは。/ndl1-8l https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/2583390/1/8 飯(いひ)にもあらず。粥(かゆ)にもあらぬ体(てい)なり。年にしたが ひ。日ををひて。容顔(ようがん)おとろへ。身力(しんりき)つきぬ。良友た づねきたりて訪(とぶらひ)て返事云  西へゆくすち一だにたかはずは骨(ほね)とかはとに身はならばなれ/ndl1-9r https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/2583390/1/9