[[index.html|伊勢物語]]
====== 第67段 昔男逍遥しに思ふどちかいつらねて和泉の国へ・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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昔、男、逍遥(せうえう)しに、思ふどちかいつらねて、和泉の国へ二月(きさらぎ)ばかりに行きけり。河内(かうち)の国、生駒の山を見れば、曇りみ晴れみ、立ゐる雲やまず。朝(あした)より曇りて、昼晴れたり。雪いと白う木の末に降りたり。それを見て、かの行く人の中に、ただ一人詠みける、
昨日今日雲の立ち舞ひ隠ろふは花の林を憂しとなりけり
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===== 挿絵 =====
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===== 翻刻 =====
昔おとこせうえうしにおもふとちかひ
つらねていつみのくにへきさらきはかりに/s76r
いきけりかうちのくにいこまの山を
見れはくもりみはれみ立ゐるくもやま
すあしたよりくもりてひるはれたり
雪いとしろう木のすゑにふりたりそ
れを見てかのゆく人のなかにたたひ
とりよみける
きのふけふ雲のたちまひかくろふは
花のはやしをうしとなりけり/s76l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/76?ln=ja
【絵】/s77r
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/77?ln=ja