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====== 第108段　昔女人の心を恨みて・・・ ======

===== 校訂本文 =====

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昔、女、人の心を恨みて、

　　風吹けばとはに波越す岩なれやわが衣手(ころもで)の乾く時なき

と、常のことぐさに言ひけるを、聞きおひける男、

　　宵ごとに蛙(かはづ)のあまた鳴く田には水こそまされ雨は降らねど

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===== 翻刻 =====

  むかし女人の心をうらみて
  　　風ふけはとはになみこす岩なれや
  　　わか衣手のかはくときなき／s116l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/116?ln=ja

  とつねのことくさにいひけるをきき
  おひけるおとこ
  　　よゐことにかはつのあまたなく田には
  　　水こそまされあめはふらねと／s117r

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/117?ln=ja