[[index.html|醒睡笑]] 巻2 賢だて
====== 9 老父ありたださへかすむ目もとの暮れ方に二階より降りんとする・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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老父あり。たださへかすむ目もとの暮れ方に、二階より降りんとする。下に息子この居けるを客人かと思ひ、ひたもの慇懃(いんぎん)に請(しやう)じけり。
後に、「私で候ふ」と申せば、「そちとは始めよりわれも知りたれど、『わがやうなる公界(くがい)知らずは、ちと仕付けを教へん』とて、それに言うたよ」と。
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===== 翻刻 =====
一 老父あり唯さへかすむ目もとの暮かたに二階
よりをりんとする下にむすこの居けるを
客人かとおもひひたものいんぎんに請しけり
後に私て候と申せはそちとは始めよりわれも
知たれと我やうなるくかいしらすはちと
仕付ををしへんとてそれにいふたよと/n2-50l