[[index.html|醒睡笑]] 巻3 自堕落 ====== 18 ある僧喉痺にてはなく喉をいためるあり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-093|<>]] ある僧、喉痺(こうひ)にてはなく、喉をいためるあり。心やすき人の見舞ひ、「何ぞ物のたちて苦しめるにや」と問はれけるに、「さのこと、さのこと」。「さらば、かやうのこと、よくまじなうて癒す修行者あり。かれを誘ひ来たらん」と同道せり。 時に治す人、「竹の折れかや、魚(うを)の骨かや、その物により観念かはれり」と、僧、息の下より、「竹ではあらうずれども、まじなひは魚の骨の心持ちにて御沙汰候へ」と。 [[n_sesuisho3-093|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 ある僧喉痺(こうひ)にてはなく喉をいためるあり   心やすき人の見舞なにぞ物のたちてくる   しめるにやととはれけるにさのことさのこと   さらはかやうの事よくまじなふていや   す修行者(しゆきやうしや)ありかれをさそひきたらんと   同道せり時になをす人竹のおれかや魚(うを)   の骨(ほね)かや其物により観念(くはんねん)かはれりと   僧息(いき)の下より竹ではあらふずれともまじ/n3-44r   なひは魚の骨の心もちにて御沙汰候へと/n3-44l