[[index.html|醒睡笑]] 巻5 人はそだち
====== 11 京にてある武士と見えたるが人らしく馬に乗り通るに・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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京にて、ある武士と見えたるが、人らしく馬に乗り通るに、坪の内より鞠を蹴出だしたれば、中間(ちゅうげん)、肝をつぶし、「餓鬼(がつき)め、覚えたるぞ」と言ふまま、鑓を直し突かんとしけり。主見て、「やれ、誰か扶持人(ふちにん)やら知らぬに、怪我をするな」と。
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===== 翻刻 =====
一 京にてある武士と見えたるが人らしく馬に/n5-57r
のりとをるに坪の内より鞠をけいたしたれは
中間肝をつぶし餓鬼(かつき)め覚えたるそといふ
まま鑓をなほしつかんとしけり主見てやれ
誰か扶持(ふち)人やらしらぬにけがをするなと/n5-57l