[[index.html|醒睡笑]] 巻5 人はそだち
====== 20 たそがれ時に何の音とも知らずはたはたと鳴る・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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たそがれ時に、何の音とも知らず、はたはたと鳴る。
歌詠む人の子息は、「叩く水鶏(くひな)の声にやあらん」。
侍の子息たりしは、「物の具の音ならん」と。
農人(のうじん)の子は、「麦打つ音であらうず」と。
五月雨にかたつき麦を干しかねて宇治の里人宵寝をぞする
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===== 翻刻 =====
一 たそかれ時になにのをとともしらずはたはたと
なる歌よむ人の子息はたたく水鶏(くひな)の声
にやあらん侍の子息たりしは物の具の音
ならんと農人の子は麦うつをとであらふずと
五月雨にかたつき麦をほしかねて
宇治の里人宵(よひ)ねをそする/n5-61r