[[index.html|醒睡笑]] 巻8 頓作
====== 25 幽斎法印ある所へ立ち寄らせ給ふに家老の人立ち出で挨拶つかまつる・・・ ======
===== 校訂本文 =====
[[n_sesuisho8-024|<>]]
幽斎法印((細川幽斎))ある所へ立ち寄らせ給ふに、家老の人立ち出で、挨拶つかまつる。
その座の脇に、机に手習ふ双紙あり。取りて御覧ずれば、「それはわがせがれの清書にて候ふ」と申したり。「さてさて奇特(きどく)な」と讃め給ひつれば、「御覧じ候ふ方、みなさやうに仰せ候ふ」と言ひ果てて、奥へ通りたるあとに、
奈良坂やこの手を讃むる親心とにもかくにもうつけ人かな
[[n_sesuisho8-024|<>]]
===== 翻刻 =====
一 幽斎(ゆうさい)法印あるところへ立よらせ給ふに家老人/n8-12r
立出挨拶(あいさつ)仕其座の脇に机に手習ふ双紙
あり取て御覧すれはそれは我せかれの清書
にて候と申たり扨々奇特(きとく)なとほめ給ひつれは
御覧し候かたみなさやうに仰候といひはてて
奥へとをりたる跡に
なら坂や此手をほむるおやこころ
兎にも角にもうつけ人かな/n8-12l