大和物語 ====== 第112段 同じ女のちに兵衛の佐師尹に逢ひて詠みておこせたりける・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 同じ女((橘公平の三女。[[u_yamato111|111段]]参照))、のちに兵衛の佐師尹(もろただ)((藤原師尹。ただし、諸本「兵衛の尉」とし、藤原庶正とも考えられる。))に逢ひて、詠みておこせたりける。風吹き、雨降りける日のことになん。   こち風はまた日ぐらしに吹くめれど雨もよにはたよにもあらじな と詠みたりけり。 ===== 翻刻 ===== 兼輔中納言四男天慶九年十二月蔵人 右兵衛佐天暦元年十月叙/d11r おなし女のちにひやうゑのすけもろ たたにあひてよみておこせたりける かせふきあめふりける日のことに なん こちかせはまたひくらしにふくめ れとあめもよにはたよにもあらしな とよみたりけりひやうゑのすけは/d11l