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神道集

しんとうしゅう

成立

内部徴証から文和・延文年間(1352〜1361)ごろ成立したと考えられている説話集

作者は不詳だが、各巻の内題の下に「安居院作」とあることから、安居院流唱導の関係者の作とする説がある。

内容

各国の寺社の縁起や神の由来などに関する説話を集めたもので、10巻50話からなる。上野国信濃国下野国の寺社にくわしく、とりわけ、上野国の縁起が多いことから、成立に関して上州に何らかの関連があることが指摘される。

各説話は本地垂迹説をもとに寺社の縁起や諸神の霊験などを描くが、単純な縁起ではなく、人間の愛や苦悩を描くドラマとなっている。

巻二第六話「熊野権現の事」が「熊野の本地」の元になったように、神道集の説話は、御伽草子類、説教浄瑠璃などへ大きな影響を与え、『曽我物語』とも深い関係をもつ。

諸本

古本系

流布本系

参考サイト

参考文献