一言芳談抄 巻之上
或人(あるひと)尋ね申して云はく、「非人法師(ひにんほふし)は、いかなる所にか住(すま)すべく候ふらん。仰せて云はく1)、「念仏だに申されば、いかなる所にてもありなん。念仏のさはりとならむ所ぞ悪しかるべき。但し、境界(きやうがい)をば離るべきなり。
或人(あるひと)たつね申て云。非人法師(ひにんほうし)はいかなる所にか住(すま)す べく候らん。仰(おほせて)云。念仏だに申されば。いかなる所に てもありなん。念仏のさはりとならむ所ぞあしかる/ndl1-6r
べき。但(ただし)境界(けうがい)をば。はなるべきなり/ndl1-6l