一言芳談抄 巻之下
同人1)上洛(しやうらく)の時、覚明房(かくめいばう)2)・証蓮房(しようれんばう)等、語り申して云はく「昔の後世者(ごせじや)の振舞ひと、今の後世者の風情とは変はりて候ふなり。昔の聖どもの沙汰し合ひて候ひしは、その人は後世を思ふ心の、あるかなきかの体(てい)にてこそ候ひしが、今は学問し候ふべき器量などのあるを、後世者の核(さね)と申しあひて候ふなり」云々。敬仏房(きやうぶつばう)の云はく、「後世 者の振りは、大いにあらたまりにけるにこそ」。
同人(だうにん)上洛(しやうらく)の時。覚明房(かくめいばう)證蓮房(せうれんはう)等語(かたり)申云。むかし の後世者(ごせじや)の振舞(ふるまひ)と。今の後世者の風情(ふせい)とは かはりて候也。昔(むかし)の聖(ひじり)どもの沙汰(さた)しあひて候しは/ndl2-10l
https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/2583391/1/10
。其人は後世(ごせ)をおもふ心のあるか。なきかの体(てい)にて こそ候しが。今は学問(がくもん)し候べき器量(きりやう)などのあるを 。後世者(ごせじや)のさねと申あひて候也云々。敬仏房云(きやうぶつはうのいはく)。後世 者のふりは。大にあらたまりにけるにこそ/ndl2-11r