一言芳談抄 巻之下
ある人、明遍(みやうへん)に問うて云はく、「学問のほど、しばらく念仏の数反(すへん)を減じ候はん」と。答へて云はく、「学問は念仏を修(しゆ)せむがためなり。もし数反を減ぜらるべくは、教へ奉るべからず」。
或人(あるひと)。明遍に問云(とふていはく)。学問(がくもん)のほど暫(しばらく)念仏の数反(すへん)を減(げんし) 候はんと。答云(こたへていはく)学問は。念仏を修(しゆ)せむがためなり。もし 数反(すへん)を。減(けんせ)らるべくは。教(をしへ)たてまつるべからず/ndl2-16l