一言芳談抄 巻之下
同じく上人1)云はく、「聖光(しやうくわう)上人は、談議の最中、日中(につちう)時来たれる時は、一文一句(いちもんいつく)をも誦(じゆ)しさして、やがて阿弥陀経を始め、礼讃念仏を行じましましき。同聞(どうもん)の聴衆(ちやうじゆ)も、心ならず、各別(かくべつ)に礼讃をしき」云々。
思ひに住(ちう)すべし云々。同(おなじく)上人云聖光(しやうくはう)上人は。談議(だんぎ)の最中(さいちう) につちう時きたれる時は。一文(もん)一句(く)をも。誦(じゆ)しさして やかてあみた経(けう)をはしめ。礼讃(らいさん)念仏を行(ぎやう)じましまし き。同聞(どうもん)の聴衆(ちやうじゆ)も心ならず各別(かくべつ)に礼讃をしき云々/ndl2-18r