昔、男ありけり。京にありわびて、東(あづま)に行(い)きけるに、伊勢・尾張のあはひの海づらをゆくに、波のいと白く立つを見て、
いとどしく過ぎ行くかたの恋ひしきにうらやましくもかへる波かな
となん詠めりける。
むかし男ありけり京にありわひて あつまにいきけるにいせおはりのあはひ のうみつらをゆくになみのいとしろくた つを見て いととしく過行かたの恋しきに うらやましくもかへるなみかな となんよめりける/s15l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/15?ln=ja
【絵】/s16r