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伊勢物語

第15段 昔みちの国にてなでうことなき人の妻に通ひけるに・・・

校訂本文

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昔、みちの国にて、なでうことなき人の妻(め)に通ひけるに、あやしう、さやうにてあるべき女ともあらず見えければ、

  しのぶ山忍びて通ふ道もがな人の心のおくも見るべく

女、かぎりなくめでたしと思へど、さるさがなきえびす心を見ては、いかがはせむは。

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翻刻

昔みちのくににてなてうことなき人のめ
にかよひけるにあやしうさやうにて
あるへき女ともあらすみえけれは
  しのふ山忍ひてかよふみちもかな
  人のこころのおくもみるへく
女かきりなくめてたしと思へとさるさ
かなきえひす心を見てはいかかはせむは/s27r

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/27?ln=ja