伊勢物語
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昔、みちの国にて、なでうことなき人の妻(め)に通ひけるに、あやしう、さやうにてあるべき女ともあらず見えければ、
しのぶ山忍びて通ふ道もがな人の心のおくも見るべく
女、かぎりなくめでたしと思へど、さるさがなきえびす心を見ては、いかがはせむは。
昔みちのくににてなてうことなき人のめ にかよひけるにあやしうさやうにて あるへき女ともあらすみえけれは しのふ山忍ひてかよふみちもかな 人のこころのおくもみるへく 女かきりなくめてたしと思へとさるさ かなきえひす心を見てはいかかはせむは/s27r
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/27?ln=ja