唐鏡 第二 周の始めより秦にいたる
第二十二の主をば定王と申しき。この王の三年九月十四日の夜、子時にぞ、老子は生まれ給ひし。摩訶迦葉の権化なり。
天地経には、「吾令迦葉在彼為老子号無上道」と見えたり。化胡経1)には、「老子知仏欲涅槃復廻在世号曰迦葉」と見えたり。
衆生済度(しゆじやうさいど)2)の御ため、震旦(しんたん)に跡を垂れて、五千文を説き給ふ。老子経とて、二巻の書なり。
第廿二の主をは定王と申きこの王の三年九月十四日の 夜子時にそ老子はむまれ給し摩訶迦葉(マカカセウ)の権化也 天地経には吾令(コリヤウ)迦葉(カシヤウ)在(サイ)彼(ヒ)為(ヰ)老子(ト)号(カウス)無(ム)上道(タウ)とみへたり/s41r・m72
化胡(クワコ)経には老子知仏(チフツ)欲(ヨク)涅槃(ネハン)復廻(フエ)在(サイ)世号(セカウ)曰(ハツ)迦葉(カセウ)とみへたり 衆生斉度の御ため震旦に跡をたれて五千文を説給ふ 老子経とて二巻の書也/s41l・m73