蒙求和歌
張湛白馬
張湛、後漢、扶風の人なり。常に白馬に乗りければ、世の人、白馬先生とぞ名付けける。
おほやけ、心のかしこきことを聞き給ひて、司徒になされしかども、すなほならぬ世の政(まつりごと)をかたぶき従はず、朝堂に至りて、偽りて、したて尿(ゆばり)をしたり。
病の重きよしを述ぶ。つひにこもり居にけり。
とりつなぐ人にはあれて故郷(ふるさと)の野原の草に駒は隠れぬ
張湛白馬 〃〃後漢扶風人也ツネニ白馬ニノリ/ケレハヨノ人白馬先生トソナツケケル/d2-6r
ヲホヤケ心ノカシコキ事ヲキキ給ヒテ司徒ニナサレシカ トモスナヲナラヌヨノマツリ事ヲカタフキシタカハス朝堂ニ イタリテイツハリテシタテユハリヲシタリ病ノヲモキ ヨシヲノフツヒニコモリヰニケリ トリツナク人ニハアレテフルサトノ ノハラノクサニコマハカクレヌ/d2-6l