蒙求和歌
鄒陽長裾
斉の鄒陽が呉王に奉る書1)にいはく、「臣、智を尽し、誠を終へ、精をかへ、慮を極むるに、おかさずといふ国はあるまじ。いづれのおほやけの門にても、長裾を引かざらむや」と書きて載せて、思ひ2)をなむ述べける。
あまのとをあけゆく空を見るごとにたなびく雲の裳裾(もすそ)なりけり
鄒陽長裾 斉ノ鄒陽カ呉王ニタテマツル/書ニイハク臣智ヲツクシ誠ヲ オヘ精ヲカヘ慮ヲキハムルニヲカサス(ヌ歟)トイフクニハアルマシイ ツレノヲホヤケノ門ニテモ長裾ヲヒカサラムヤトカキテノセテ/d2-46l
ヲヒヲナムノヘケル アマノトヲアケユクソラヲミルコトニタナヒク雲ノモスソナリケリ/d2-47r