醒睡笑 巻1 鈍副子
不断光院(ふだんくわうゐん)の住持、近衛殿1)へ参られし時、三方(さんばう)を許すとあれば、その後、常に三方にて斎(とき)・非時(ひじ)を給はれり。
このよし、三藐院殿(さんみゃくゐん)2)聞こし召し給ひ、
かりそめに許すと言ひし三方をふだんくはう3)は無益なりけり
一 不断光院(ふたんくわうゐん)の住持(ちうし)近衛殿へ参られし時三方 をゆるすとあれは其後常に三方にて斎(とき)非 時を給はれり此由三藐(みやく)院殿聞召給ひ かり初にゆるすといひし三方を 不断くはふは無益なりけり/n1-59l