醒睡笑 巻2 吝太郎(しはたらう)
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雨降る日のさびしさに、よしある方に尋ね行き、上戸の二人寄り合ひ、種々(しゆしゆ)話(はなし)ども、時過ぐれど、さらに盃の噂もなければ、客、様子(やうす)を見切り言ふ、「貴所の酒でも、わが酒でもなうて、大酒(たいしゆ)がして遊びたいの」と。
一 雨ふる日のさひしさによしあるかたに尋 行上戸の二人よりあひしゆしゆはなしとも 時すくれとさらに盃の噂もなけれは客や うすを見きりいふ貴所の酒ても我酒でも なふて大酒かしてあそひたいのと/n2-44r