醒睡笑 巻3 自堕落
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僧俗寄り合ひての物語に、「今ほどは、ことのほか鮒が安き」よし、坊主の言はれけるを、俗言ふ、「奇特(きどく)なることや。こちさへ知らぬ」と、あてたれば、「いや、われは知らぬ。寺中(じちう)の取り沙汰じや」と。
一 僧俗よりあひての物語に今程は事の外 𩹡(ふな)がやすきよし坊主のいはれけるを俗 いふきとくなる事やこちさへしらぬとあて たれはいやわれはしらぬ寺中のとりさた じやと/n3-46l