醒睡笑 巻4 そでない合点
小文字ある出家、にはかに連歌を稽古せむと思ひ立ち、ふと都にのぼり、心がくる人のもとに頼み寄り、まづ床(とこ)を見れば懐紙あり。
「あれは連歌」。「いや、なかなか」。「賦何木連歌(ふすなにきれんが)」とあるを、「くばるはなんぞ、もくれんがうた」と読み、理のすみたるといふ顔つきも、奇特(きどく)の客とや申さむ。
一 小文字ある出家俄に連歌を稽古(けいこ)せむと 思ひ立ふと都にのほり心かくる人のもとに頼 より先(まつ)床(とこ)をみれは懐紙(くわいし)ありあれは連歌いや 中々賦何木連歌(ふすなにきれんか)とあるをくはるはなむ そもくれんがうたとよみ理のすみたるといふ かほつきも奇特(きとく)の客とや申さむ/n4-47l