醒睡笑 巻8 頓作
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此跡(しせき)は大名にて、威勢ありつる人なれど、たちまち落人となり、宿かりそめの寒夜に身はすくみ、かねのごとく冷えわたれば、古畳(ふるだたみ)を着て寝(い)ねられしが、狂歌、
あさましや世は逆さまに1)なりにけり人に敷かるる物に敷かれて
一 此跡は大名にて威勢ありつる人なれと たちまち落人となり宿かりそめの寒夜に 身はすくみかねのことく冷わたれはふるたたみ/n8-30l
をきていねられしか狂哥 浅ましや世はさにさまに成にけり 人にしかるるものにしかれて/n8-31r