隆房集
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思ひあまり、何となく口ずさびし歌を、あはれとや聞きけむ、手習ひにしたりけるを、後に人の取りて見せしかば、「さすがに思ひ出でけるにや」と、あはれにて、
何となく言ひし心を書き流すその水茎(みづぐき)の跡ぞうれしき
おもひあまりなにとなくくち すさひしうたをあはれとや ききけむてならひにしたり けるをのちに人のとりてみせしかは さすかにおもひいてけるにやと あはれにて なにとなくいひし心をかきなかす その水くきのあとそうれしき/s11r
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100002834/11?ln=ja