十四日、 暁(あかつき)より雨降れば、同じ所1)にとまれり。船君(ふなぎみ)2)、節忌(せちみ)す。精進物(さうじもの)なければ、午時(むまとき)よりのちに、楫取りの昨日釣りたりし鯛に、銭(せに)なければ、米(よね)をとりかけて、落ちられぬ。
かかることなほありぬ。楫取り、また鯛持て来たり。米・酒しばしば来る。楫取り、気色悪しからず。
十四日あかつきよりあめふれはおなし ところにとまれりふなきみせち みすさうしものなけれはむまと きよりのちにかちとりのきのふつり たりしたひにせになけれはよね/kd-23r
をとりかけておちられぬかかること なほありぬかちとりまたたひもてきた りよねさけしはしはくるかちとり けしきあしからす/kd-23l