徒然草
御産(ごさん)の時、甑(こしき)落すことは、定まれることにはあらず。御胞衣(おんえな)とどこほるときのまじなひなり。とどこほらせ給はねば、このことなし。
下ざまよりことおこりて、させる本説なし。大原の里の甑を召すなり。古き宝蔵の絵に、賤しき人の子産みたる所に、甑落したるを書きたり。
御産のとき甑落す事は。さだまれる 事にはあらず。御胞衣とどこほるときの まじなひ也。とどこほらせ給はねば。此事 なし。下ざまよりことおこりてさせる本/w1-49r
説なし。大原の里のこしきをめすなり。 ふるき宝蔵の絵に。賤き人の子うみ たる所に。甑落したるを書たり/w1-49l
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