隆房集
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ある所の文(ふみ)とて、人の持たるを見しかば、この忍ぶ人の手に似たりしを、つらつら思へば、同じ所に住む人なりけり。いとあはれにて、その文を、うちも置かずまもられしことを、
一筋に同じ流れと見つるよりこの水茎も袖濡らしけり
あるところのふみとて人の もたるを見しかはこのしの ふ人のてににたりしをつ らつらおもへはおなし所にすむ 人なりけりいとあはれにてその ふみをうちもおかすまもられ しことを ひとすちにおなしなかれとみつるより この水くきも袖ぬらしけり/s32l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100002834/32?ln=ja